DIY用集塵機は掃除機で代用可能？木くずは処理できる？【違い・自作方法も紹介】

できるだけお金をかけずに自分の欲しいものを作れるのが「DIY」です。しかしいざやってみると木を切ったり、やすりでこすったりして出る木くずや塵の掃除が大変。DIYに伴って生じるゴミの掃除の仕方に悩みを抱えている方は多いのです。

家庭用掃除機で代用できると思われがちですが、実は適切ではありません。そのほか、集塵機を選ぶ際には知っておくべきポイントも。本記事では、これらの疑問について徹底解説します。

機種の選び方を紹介するほか、マキタをはじめとしたおすすめのDIY用集塵機11選をピックアップ。DIY用集塵機の自作についても解説します。DIYを満喫するためにも、ぜひ自分にピッタリの集塵機を見つけてください。

皆さんは「DIY用集塵機」と聞いてパッとイメージがつきますか？なんとなく、掃除機と似たようなものを想像している方も多いと思います。ここでは、そもそもDIY用集塵機とは何なのか、掃除機とは何が違うのかを、それぞれの特徴を踏まえて解説していきます。

DIY用集塵機は大量の空気を粉塵ごと吸い込み、クリーンな空気を排出するための機械です。動作の過程で粉塵・砂埃・木くずといった家庭用の掃除機では対応できないゴミを除去できるため、掃除機とは用途が異なります。

形状・アタッチメント次第では掃除機と同じように扱え、乾湿両用で水気を吸引できるタイプもあるほか、片手で扱えるハンディタイプも。電源を手持ちの電動工具と連動させて使うのも可能です。

価格帯も掃除機と同程度で、3～5万円程度が一般的です。安いものであれば1万円前後から購入でき、業務用の機種でもさほど高くはありません。

掃除機は、落ちているゴミや溜まった埃を吸い込み、きれいにするための道具です。ゴミや埃をしっかり吸い込めるよう吸引力が強いものが多いですが、一度に吸い込める空気の量はあまり多くありません。

集塵機のように細かい粉塵を吸い込んだり空気をきれいにしたりするのには向いておらず、目詰まりを起こしやすいため、定期的なメンテナンスが必要となります。

DIYの作業環境で、集塵機の代わりに家庭用の掃除機を使うのはおすすめできません。掃除機はあくまでホコリ・糸くずといった日常生活上の床ゴミを前提として設計されており、集塵機とは設計上のベクトルが異なります。

そもそも掃除機はフィルターが小さいため、大量の粉塵を吸い込むとすぐに目詰まりを起こしてしまいます。オーバーヒート・壊れる場合も珍しくありません。集塵機はフィルターのサイズ・集塵容量ともに掃除機を上回ります。DIYの作業環境では、掃除機ではなく集塵機を使いましょう。

DIY用集塵機がおすすめの人は、主として下記の2パターンです。

• DIYを行う習慣がある
  自宅でDIYを行う場合は、DIY用集塵機の導入をおすすめします。作業のスケールが大きくなるほど木くず・粉塵などが多く発生するためです。テーブルで行える作業であれば卓上・ハンディタイプでも間に合います。

• 仕事の過程で粉塵・木くずなどが生じる
  大工・鉄工といった、手作業で材料を加工する労働環境では粉塵・木くずなどが生じる機会が多いため、DIY用集塵機が役立ちます。床に水を撒いて掃除する場合は、乾湿両用タイプがおすすめです。

掃除機や集塵機で最も重要なのは「吸引力」です。DIYは木くずや塵などの細かいゴミがたくさん出ます。吸引力の高い集塵機であれば細かいゴミまできれいに吸い取ってくれるので、何度も掃除する手間がいりません。購入前にしっかり吸引力を確認しましょう。

吸引力は「吸引仕事率」として単位「W」で表されます。商品のスペックをしっかり確認し、ワット数の高いものを選びましょう。

次に大事なのが集塵できる容量です。タンク容量が大きいものほどゴミを捨てる頻度が少なくて済みます。DIYでは大量の塵やホコリが出るため、集塵容量が大きいものほどゴミ捨ての頻度を減らせておすすめです。

ただし、タンク容量が大きいものほど重量が重くサイズが大きいので、場所を取る可能性があります。収納場所や作業場所がせまい場合は、容量が10L以下のものが適切です。

乾湿両タイプの集塵機を選ぶのも大事なポイントです。乾湿両タイプは、乾いたゴミと湿ったゴミのどちらでも吸い取れるタイプの集塵機を指します。DIYをしていると、液体をこぼして床が濡れたり湿ったゴミが出たりするため、乾式専用タイプでは不便です。

乾湿両用タイプであれば、液体も吸い取れるので水たまりの処理も可能です。全体的な掃除の手間をカットできるため、DIYには乾湿両タイプをおすすめします。

ローラータイプは本体下部にローラーが付いており、少ない力で転がしながら使用できるタイプを指します。アタッチメントのT字ノズルとの相性が良く、キャスター付き掃除機のような感覚で扱えて一石二鳥です。

注意点としてはサイズ・集塵容量が大きいため、小回りが利きません。狭い場所・段差のある場所などには不向きです。

リュック型は呼び名の通り、背負って使えるタイプです。両手が自由になるため、置かれた物をずらしながら集塵するのにぴったり。細身でコンパクトなため重量が小さく、また厚みを抑えた平らなデザインが一般的です。サイズが小さい分、集塵容量は2L～3L程度と少なめなので、小規模な作業場に絞って使うのがおすすめです。

スティック型は、集塵機本体とノズルが一体化したタイプです。片手で扱える軽量タイプが多く、持ち運びも楽で女性にぴったり。わずかなスペースに立てかけて収納できるため、新たに保管場所を確保する必要はありません。

注意点として集塵容量1L以下のコンパクトなものが多く、粉塵がたくさん出る場所での使用には不向きです。

集塵機と付属パーツを組み合わせれば、家庭用掃除機のようにも使えます。付属パーツは場面に合わせて付け外しできるのが特徴。家具の狭い隙間にフィットするスキマノズル、掃除機のヘッドさながらの床用ノズルなどが代表的です。ちなみに別売りの場合は付属パーツではなく、「アタッチメント」と呼ばれる場合が多いです。

集塵機を購入する際は、静音性にも注意して選びましょう。せっかく性能のいい集塵機を購入しても、作動音がうるさいと使用するのがストレスになってしまいます。また、使用時間や頻度によっては近所トラブルにもなりかねません。

近年は、静音性の高い集塵機が数多く登場しているので、ぜひチェックしてみてください。

「コンセント式連動」は、電動工具のコンセントを集塵機の受け口に挿して連動させる方式です。電動工具の電源をオンにすれば集塵機も連動し、集塵作業がスタートします。コンセントから直接給電するため、途中で電池が切れてしまう心配は要りません。昔ながらのシンプルな原理で、消費電力の範囲内に収まれば大半の工具を使用できるのがメリットです。

「無線式連動」は、2017年にマキタが実用化した新世代の連動方式です。電動工具と集塵機をBluetoothで接続し、工具側の電源情報を集塵機へ伝える要領で動かすのが特徴。無線接続するためケーブル類を削減でき、作業スペースを確保しやすいのがメリットです。

注意点として、無線対応していない電源工具を組み込みたい場合は、新しくBluetoothユニットを取り付ける必要があります。

マキタは電動工具の世界的メーカーです。日本国内最大手であり、国内シェア約60％と圧倒的な優位性を誇ります。特に電動ドリルが有名で、建築・建設業界においてはスタンダード的存在。業務用に対応した強力な掃除機・集塵機も得意で、アタッチメントも豊富にラインナップしています。

リョービは、金型鋳造法技術の一種であるダイカストに強みを持つメーカーです。集塵機は主に業務用キャニスタータイプを得意とし、乾湿両用タイプのノウハウもあります。2018年に電動工具を扱うパワーツール事業を京セラインダストリアルツールズに事業譲渡したものの、リョービブランドは継承され現在も存続しています。

DIY用の集塵機は家庭用の掃除機を使って自作可能です。バケツをタンクに見立てたり、ペットボトルの先を吸引口代わりに使ったりなどさまざまな自作方法があります。自作であれば5000円ほどで作れるため、集塵機を買うより安上がりです。

吸い取ったゴミが回収容器に入るため掃除機本体にゴミがたまりにくく、手入れの回数を減らせます。デメリットとしては、掃除機が大きくなってしまい収納時の場所を取ってしまう点や、自作の手間が必要な点が挙げられます。結論としては、本格的にDIYをするよりも集塵機を購入する方が手間を減らせ、長く使えるのです。

より楽しくDIYをしたい場合は、掃除の手間を省ける集塵機の購入がおすすめです。掃除が楽になればDIYにかけられる時間が増えます。この記事を参考に、自分に合った集塵機を見つけて快適なDIYライフが送りましょう。